第5章 禁断の父子

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思わず息をのんだ。 現れた由良は 作りものと見紛うほどの美少年。 薄絹でできたような服を着て 妖艶な唇は紅をさしたように 薄暗い店の照明に映える。 「由良……」 その細い腰元に 思わず手を伸ばす 不埒な義理の父の手を振り払い。 「こういうの僕嫌いだよ」 気だるい口元は 悪女のように囁く。 甘い嘘泣き。 そして空笑い。
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