第5章 禁断の父子

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「行って――ママが呼んでる」 頭からブランデーを浴びせた男に 悪びれず告げる。 「忘れたの?今夜から一泊二日のお務め旅行だろ」 「ああ、くそ!マジか」 まるで僕の存在なんて 忘れてしまったように ナナは舌打ちし頭を抱えた。 「行きたくない」 「ママを怒らせちゃダメ」 ごねる子供をなだめるように 優しげに唇を綻ばせ 由良はナナの頬に手をやった。 「僕の側にいるためさ――」
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