第5章 禁断の父子

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「先生、かわいそうに」 同じように傷跡をさする。 惑わすような手つきで。 闇の色を湛えた 吸いこまれそうな瞳。 混ざりけのない黒髪に 透けるように白い肌が映えて ――なんて綺麗なんだろう。 「サチ」 思わずその名を呼んでいた。 戸惑いがちにそっと 目元に落ちる一筋の髪に触れる。
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