第5章 禁断の父子

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やがて 「先生――僕先生のそんな顔好きだよ」 ついばむように 由良が僕の唇にキスを落とした。 「どうしていいか分からない顔」 さらりとしたシフォンの袖が 僕の首筋を悪戯に撫でる。 「自分じゃどうにもできない、暗い闇を抱えた顔」 「ンッ……アア……」 由良は僕の心を 裸にして弄ぶように 徐々に口づけを深めて囁く。 「あの頃サチ兄さんも――毎日そんな顔してた」
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