第5章 禁断の父子

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「ナナさん……」 ナナ――それがここでの彼の通称らしい。 「すぐにVIP席開けろ」 「はい、ただいま」 僕を連れて店に戻ると 例のフロントマンがへこへこしながら 大慌てで店の奥へ駆けて行った。 「大丈夫か?」 「……なんとかね」 どこも半個室になった店内のソファー席。 一際豪奢な一角に僕を案内すると。 ナナは自分が殴った僕の頬に すぐに冷たいおしぼりを押し当てた。
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