第5章 禁断の父子
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「乾杯」 僕は言われるがまま 磨き上げられたバカラのグラスを手に取った。 「それで――」 一生に何度も味わえないはずのブランデーを 水のように流し込みながら 「あいつが何か?」 ナナは先を促した。 「由良くんがこの店に出入りしてると、警察から電話が」 僕は率直に切り出して 義理の父親の様子を窺う。
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