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「ボール投げは落下地点から正確に測れよ? 次は?名簿番号……」
「玲二、お前じゃないか?」
「あー、そうだったな」
同じクラスになった友人の春山修斗に指摘されて、そういえば俺も測らなきゃいけないのだと気付かされる。
今日の授業はグラウンドでのボール投げのテスト。
俺、クラス委員でも体育の教科係でもないのに、何で記録係やってんだろ。
それもこれもあの貧血先生の所為なんだけど。
「世田君、お手伝いありがとうございます。後は先生がやりますから……」
フラフラと俺の元に近付いて来た先生が手を差し伸べるが、まだ青白い顔をキッと睨み付ける。
「何で木陰から出て来てるんですか。戻ってください、また倒れたらどうするんですか」
「もう大丈夫ですよ」
「大丈夫じゃない」
ビシッと言い切られ、貧血先生が「すみません」としょんぼりしている。
この人、ホントに俺より年上の先生なんだよな?
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