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地面に置きっぱなしのカバンを引き寄せ、中から財布を取り出す。
「先生はここに居て」
「え? 世田君?」
「ちょっと行って来るから」
俺が居なくなった後に逃げられても困るから「カバン預かってください」と先生の膝に自分のカバンを乗せる。
そして校舎へと急いで向かった。
今の時間じゃ売店は閉まってるだろうが、自販機なら使える。
確か自販機にはあれがあった筈だ。
自販機で目当ての物を購入して倉庫前に戻ると、言いつけ通り先生は俺のカバンを抱えたままじっとしていて。
「おかえりなさい」
柔らかい笑顔を浮かべていた。
「カバン、ありがとう。で、コレ」
先生の前にしゃがみ込みカバンと引き換えに手渡したのは、鉄分カルシウム入りのヨーグルトドリンク。
こんなんでも何も無いよりマシだろ。
「貰っていいんですか?」
「いいよ……ってか、先生に買って来たんですから」
「そっか、ありがとうございます」
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