第1話

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「はいはい、あ、あそこ空いてる。座ろうぜ」 空いている席を見つけ修斗に声を掛けてから歩き出すと、頬を膨らませながらも大人しくついてくる。 ちょっとからかっただけなのに……反応が面白すぎるんだよ、修斗は。 しばらくカツ丼を堪能していると、不意に隣のテーブルの端に居る先輩達を見つけて。 つい「あ、先輩達だ」と声を漏らしてしまった。 三、四人で固まってご飯を食べているのは、俺の所属するサッカー部の先輩達。 ついでに隣に居る修斗もサッカー部だ。 その中には我がサッカー部の二年にしてエースストライカーの錦戸潤先輩も居る。 俺は小学校の時からサッカーをしていた事もあり、経験者として一年ながらもレギュラーに選ばれた。 春の大会ではスタメンではないにしても、試合の最後の方には出させてもらったし。 まぁ……修斗は補欠で春の大会ではずっと応援ばっかりしてたけど。 錦戸先輩も練習にはちゃんと参加しているし、それなりに努力もしてるんだと思う。 でも俺の努力とは全然違う、あの人は天才肌なんだろうな。 .
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