クリスマスのお買い物

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  「……どうしてです?」 「いや? お前がそんな顔してるからさ、欲しいモンでもあるのかと思って」  エリックは驚き、そしてすぐに、むくれたように視線を下げた。  その頬が、ほんのり染まっている。  照れ隠しか、とがらせ気味の唇で、呟くように返される。 「……あなたは、あげたい方へ、プレゼントは用意できたんですか?」  語尾からの上目遣いがやたら可愛い。  こいつ男だったよな、と思い出しながら、返す。 「センセとネェさんのならもう準備済みだ。ちび共はこれから。死神は知らん」 「!   閣下の分は僕が用意します」  急に色めき立ったのが、予想通り過ぎて笑う。 「お前、金持って無ェのにどうすんだ」 「それは……」  言い淀み、エリックはぷいと顔をよそへ向けた。 「……お金で買えるものなんて、閣下に差し上げられません」  何だその苦し紛れは。  こらえきれない笑いが、ニヤニヤとこぼれる。 「そうしとけそうしとけ。オレぁあんなんにゃ何もやらん」 「ええ。そうしてください」  何やら力んだエリックは、興奮が冷めやらぬ様子で歩いて行ってしまった。  どうすんだか、と見送り、足元のレジ袋に気が付く。 「おいコラ荷物置いてくなよ」  言ってみても、既に手遅れだ。  仕方なく、全部ぶら下げて雑貨屋を出る。  座って待ってりゃ見つかるかと、近くのベンチへ陣取った。
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