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「やあ……っ!もうむ、り……んんっ!あ!ああっ!」
うつぶせで組み敷かれた状態のまま揺さぶられると、目の奥がチカチカした。
もう何度目になるか分からない解放を向かえたというのに、中に埋め込まれたものは少しも衰えない。
すでに意識は朦朧としているが、まだまだ解放されないのは目に見えていた。
「だめだよ、雪緋。まだまだ足りない。他の男に目がいかなくなるくらい愛してあげるから。二度と、他の男を本気で好きになったなんて言わせない」
「や……っ!あ、あ!ああ!!」
ガツガツと奥を突かれ、喘ぎすぎて枯れたと思った喉から一際高い嬌声が漏れて部屋に響く。
「好きだよ雪緋」
何度も繰り返される甘い言葉に、頭の中がぐちゃぐちゃに溶けていく気がした。
甘すぎる現実に、涙が出そうになったのは体力が限界だったからか――それとも、幸せだったからか。
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