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「今年1年みんなを担当することになった、牧野です。よろしく」
女の先生か。まあ男も女もそこまで変わらないけど。
「早速だけど、転入生を紹介します。入って」
その瞬間、クラス中が静かになった。
みんな彼女に見惚れたのだ。
もちろん俺も。
「綾木ゆりです。よろしくお願いします」
なんだろう、彼女は周りの人を惹きつける何かを持っていた。
オーラというか、とにかく言葉では表現出来ないような何かを。
「じゃあ、そこの雨宮くんの隣の席に座って」
「はい」
彼女が自分の隣の席に来る間にもクラス中の視線を集めていた。
なんだか誇らしい感じになった。
「綾木ゆり、よろしくね」
「あ、うん」
「名前教えて」
「雨宮星也」
「綺麗な名前だね」
「初めて言われたよ」
初めて名前を褒められた。
なんだかうれしかった。
少しだけドキッとしてしまった。
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