side M

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・・・微妙な鈍痛。 薬を飲まないと耐えられないわけじゃないけれども、確実にいつもの自分の状態とは違う違和感。 会社に行く日に、一番辛い日が当たらなかったのは、嬉しいけれども、洋ちゃんと会う日にこれって。 出来ないなら会うのを止めると言った昔の彼氏と洋ちゃんは違う。 これが、ちゃんと恋愛してる恋人同士の正しい姿に違いない。 私だって、学生時代に付き合った一番最初の彼氏のときは・・・。 ズキンと胸が痛んだ。 別に、今となってはあの人に対して、何かを思うわけではないのに。 一番最初の彼氏が、一番思い入れがあったような気がするからなのか。 すべてを捧げたと言える人だったからなのか。 傷ついたっけ。 信じて疑ってなかったのに、他に好きな人ができたって言われて。 美代子はキレイだし、すぐに彼氏ができるよ。 あっさりしたもんだったな。 キレイだしって、キレイであろうと努力もしてたのに。 あなたにふさわしくありたいと思っていたのに。 彼の言葉通りに、あっさりと彼氏ができた。 なくした恋を振り払うように、次の恋に身を投じた。 次こそは、なくさないように。 相手に合わせて。 自宅通勤からここに引っ越してきて。 ゆっくりできる時間が持てるようになって、おかしいことに気が付いたんだっけ。 他にも女がいる。 浮気? そうじゃなくて、私が浮気相手だったと知ったときのショック。 いつか、一番になれるんじゃないかと思ったのも、間違っていたっけ。 生理だったら会わない。 何で、おかしいと思わなかったんだろう。 体、ゆっくり休めろよなんて言葉に優しさを感じていたのが間違いだ。 いや、間違いじゃないのかもしれないけれども、会いたいって言えば、普通、会うだろう。 恋は盲目。 きっとソレ。 今の私もやっぱりどこか見失ってるんだろうか。 郡司の言った言葉がずっとひっかかってる。 今度の彼氏はどんな問題児だよ。 どこにも、問題なんてないはずなのに、ダメな恋愛ばかりをしてきたから。
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