side M

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隣同士に並んで一緒に朝食を食べるのは、何回目だろう。 ふとそう思った。 初めて5月の連休に洋ちゃんがお泊りに来てくれてからもうすぐ4カ月。 付き合いだしてから5カ月。 出会って半年。 いろいろなことがあったなと思う。 最低最悪な現場を一番最初に見られてしまって、そこをスーパーマンのように助けてくれたんだった。 汚い自分の過去をも受け入れてくれる洋ちゃんの寛大さ。 この人をなくしてはならない。 乾いた砂地に水を撒いたときに、地面に水が吸収されるように洋ちゃんの存在が私の中でジワリジワリと大きくなっていくし、満たされることもない。 いつも、枯渇してる。 「もう、お腹いっぱい?」 いきなり顔を隣から覗きこまれて、焦点が合わずにぼやけて見えた彼の顔は、はっきりと見えてなくても笑ってることが分かる。 「足りないよ。全然、お腹いっぱいなんかじゃない。」 洋ちゃんが、足りないよ。 その一言をトーストと一緒に飲み込んだ。 重たい女だと思われたくない。 アナタの一番で居続けたい。 「そう?良かった。考え事してた?なんかそんな顔してたよ。」 私を覗きこんでいた顔を自分の定位置に戻して、ミルクティの入ったマグカップに手を伸ばしてる。 お揃いで買ったハート柄のラブリーなマグカップ。 もちろん、選んだのは洋ちゃんだ。
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