11/19
前へ
/141ページ
次へ
 しばらくしてから到着したエレベーターに乗るのは私たちだけだったようで、私はなんとなく気まずくなってしまって、俯きながら後ろに立った。  ただただ、恥ずかしい。  いちゃつくなとか、そんなこと言われたことがなくて、びっくりして戸惑ってしまう。  しかも会社の先輩だというのに、どうしたらいいのかとドキドキした。  しかし、城田さんには大したことがなかったのか、このエレベーター遅いよねー、なんて言いながら、階数表示を見上げている。そんな城田さんを見て、また少しドキリとしてしまう。  様になるんだよね、横顔、というか。  さらっと髪が後ろに流れるところと、髪を掻きあげるところとか。  なんか、雑誌でも見てるような気にさせられる時がある。  黙っていらっしゃれば、限定だけど。  なんてことを考えていたら、私にとっては想像もしていなかった質問が飛んできた。
/141ページ

最初のコメントを投稿しよう!

180人が本棚に入れています
本棚に追加