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「してくれる?」
「え?」
「ほら」
そういうとちぃくんは瞳を閉じる。
ーーーうーっ、それ、ずるいっ。
ちぃくん、時々これするんだよね。
催促。
無言でじーって。
私が決意するまでに時間かかることも、その間アワアワして顔が赤くなってることも知った上で。
でもって、私が絶対にスルって分かってて。
「私、から?」
無駄な抵抗って分かってるけど、小さい声で尋ねると、早くって返された。
別に嫌なわけじゃない。
ただ、恥ずかしいだけ。
覚悟を決めると、そっとちぃくんの頰を両手で包んだ。
少しひんやりしてて、温めるようにゆっくりと触れてからピタっとくっつける。
少しだけ背伸びして、しっかりと、今は閉じられた瞳を見つめるてから、私も目を閉じてちぃくんに近づいた。
「千歳。だいすき」
呟くように、囁くように。
いつも想っている気持ちを、たくさん込めて。
伝われって、重いを乗せて。
でも大きな声で言うのは恥ずかしいから。言葉以上にその唇に込める。
もう何度触れたかも分からないちぃくんのそれに、私はただただ好きの想いを重ねた。
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