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「ん……」
触れてみて、角度を変えて。
いつのまにか頰に添えていた手が、ちぃくんの首の後ろに回る。
腰で組まれていたちぃくんの手も、片方が伸びてきて私の後頭部に添えられて、いつの間にか離れなくさせられていた。
「ぁ……ふ、……んッ」
仕掛けたのは私のはずなのに、いつの間にか形勢は逆転している。
これもいつものことだけれど、今日は少し……私もひかずに、舌先を割り入れた。
こんなこともできるくらいには、私だって少しは、成長した? かな、って。
とか言えるのは一瞬のことで、いつのまにか息苦しくて、目眩がしそうになってる。
全然余裕なんてなくて、口内で舌を撫でられると腰のあたりがザワザワする。
ーーーも、……だめっ
そう思って崩れそうになったと同時に、ようやく唇が解放された。
勢い、はぁって言いながら、慌てて呼吸をする。
それなのにちぃくんは全然余裕みたいで、クスクス笑いながら、私の右頰にキスをした。
去り際、一言を残して。
「ごめん、ケーキより、プレゼントより。先にことちゃん、もらってもい?」
って。
私は、かぁあって赤くなるのを感じながら、小さくコクリと頷く。
私の反応を見て、また反対の頰にキスが落とされる。
ますます赤くなるのを隠せないままちぃくんを見上げると、ただただ嬉しそうで。
私は手を引かれるままに ちぃくんの部屋へと向かった。
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