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 「これ。気に入ってもらえるか分からないけど」  そう言ってようやくちぃくんに渡せたのは、誕生日プレゼント。  アクセサリーの類はおこがましくて渡せないし。  服とかカバンも、全く分からない。  実は、真理亜と昨日出かけたのは、このプレゼントのためでもあった。  今回一番悩んだのは、私の『初めてのお給料』で買うという意気込みが強かったせい。  その使い道のひとつは、家族とご飯に出かけること。  皇星の希望で焼肉になったけれど。  それはそれで、私の頑張りがこのお肉になったのか! って感じたらちょっと感動した。  それから、ちぃくんのことが浮かんで。  今まで学生だったことと、私の方がぐんと年も下だったこと。  アルバイトをしたことがなかったこともあって、初めて稼いだ自分のお金で、ちぃくんにプレゼントをしたかった。  幸い誕生日が近いからと思って、気合十分。  だけど、考えても考えても贈るべきものがなかなか決まらなくて、昨日これだって閃いた時には、自分にちょっと感動すらした。  こんなものも私は選べるようになったんだなって。
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