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 そんな強い意気込みを持って買ったものの、いざ渡すとなると、心臓がばくばくする。  少し震える指先を誤魔化すように、私は勢いよくちぃくんの手に押しつけてそれを渡した。  「ありがとう。なんだろう、楽しみだな」  「あのね、……初めての、お給料で買いましたっ」  「あ、そうか」  そう言って、ちぃくんはプレゼンントに向けていた視線を私に戻して見つめてくれた。  見られると、アピールした自分がちょっと恥ずかしい。  けど、私頑張ったんだよってことが、どうしても言いたくて。  社会人になってもらった対価なんだってことがちょっと誇らしい気持ちもあって。  でも、それを隠すように、てへへと笑った。  「初給料かぁ。なんかかっこいいね、ことちゃん。大人に成長した感じ」  「えぇぇええっ、そ、そんな、ことは」  「いつまでも中学生じゃないもんね」  「そ、それは言わないで」  もう、って言いながら、軽く肩にパンチする。  まるで猫パンチ程度のそれを、いたた…なんていいながら、笑って受け止めてくれる。  こんな温かいやりとりも1ヶ月なかったんだなって思ったら、やけに幸せに感じた。    そんなことを思っている私の横で、ちぃくんはペリペリと包装紙を破っていく。  それをドキドキしながら見ていると、中身を見たちぃくんは不思議そうな顔をした。  「なんだろ。……名前?」  「名入れ、すぐにできるって言われたから」  「あ、分かった。わ、すげ、かっこいいー」  「ほんと!?」  かっこいいの一言に、私も舞い上がる。
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