ちぃこと４【完】

３

　ちぃくんの言葉を引用してみると……私もしっかりと充電して、また仕事の日々へと戻った。

　社会人初めてのゴールデンウイーク明け。
　よく聞くサザエさん症候群だの、いろいろとあるけれど。
　幸いにも五月病めいたこともなく、私はまた、忙殺されそうな日々を送っていて―――気か付けば、季節は夏を目前にしていた。

『今年の夏、どこにも行けないかも』
「え？ そんなに、忙しいの？」
『うん。ごめん。予備試験で合格しようと思うと、なかなか時間が足りないくらいで』
「そっか。ロースクールやめるって言ってたもんね」

　 たまの時間、ちぃくんとののんびりした電話。
　その時に告げられたのは、予想はしていたけれど、やっぱり悲しい現実だった。

　私が就職したことや、ちぃくんの気持ちの変化もあったらしくて、大学の後、ロースクールへ行くと言っていたのだけれど、どうやら来年の予備試験を受けることに変更したらしい。

　ロースクールだと、2年履修した後に司法試験となるらしいけれど、それまで待てないって言って。
　どうやら予備試験を合格したら、翌年に司法試験を受験できるんだとか。

　私には難しすぎて何がなんだかだけれど……ちぃくんが頑張っていることは、全力で応援したいと思う。どんなことでも。