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 そんなななちゃんに、「なななん」なんてあだ名をつけたのももちろん城田さん。  みなみななみで、「な」が3つもあるからって。意味不明だ。  「み」だって3つあるけど、触れないでおいた方がいいと思って黙っている。  本当は、ななちゃんって呼んだらセクハラだとか言われたら困るってことらしいけれど。  どうやら城田さんの心配は、全方向でセクハラに向いているらしい。  私にしてみれば、奇妙なあだ名をつけられるより、名前で呼んでもらった方がずっといいのにな、なんて。  「考えてくれる?」  「あの、いつ頃になりますか?」  「7月に三連休があるでしょ。その土日だよ」  「三連休、ですね」  「あ、もしかして……デート?」  屈んで、私の耳元にコソコソと囁かれて、私は慌てて飛び退いた。  近づかれた耳を封鎖して、なんてこと言うのって顔で城田さんを見上げる。  こんなとき、背が高すぎる先輩が恨めしい。  「そこ、照れるとこ?」  「ち、近いですっ」  下から見上げた先の瞳の色が薄くて、すぅっと引き込まれそうになる。  時々、全部思考を読み取れてるんじゃないかって疑ってしまうくらいだ。  しかしそんな私の疑いをヨソに、城田さんはカラカラと笑っていた。  「なななんと相談してもいいから、とにかく考えといてね」  「……分かりました」
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