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分かりました、と言いながらも答えは決まっている。
社会人っていろいろむずかしい。
選択権があるようで、ないような。
でも、結局決めているのは自分で……って、なんだか、自由なのか自由じゃないのか分からない。
でも。
社会人になっても、そうやってお遊びみたいな企画があるんだってことが、ちょっと意外だったりもする。
決められたことなら、楽しむしかない。
ななちゃんと旅行だと考えれば、それはそれで楽しいと思うし。
新採だから行けと言われたと受け止めるのをやめて、楽しもうという気持ちにきりかえていく。
いろいろ考えてみたら不安なこともあるけれど、それはまぁ、学生時代のなんたら旅行と同じだろう。
なんてことを考えていたら、眼前でパチンと手のひらを叩かれて、私はびっくりして目を見開いた。
もちろん犯人は……城田さんである。
キレイな形の唇をにぃって横に引き伸ばしてから、目を細めて意地悪さが伺える表情をたたえてまた私の瞳を覗き込んできた。
「ピヨちゃんと旅行、楽しみだなぁ」
「ちょっ、誤解招く言い方やめてくださいって」
「嘘じゃないもーん」
「もーん、じゃないですっ」
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