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 ***  そうして迎えた7月。  テスト前に映画デートだけは実行して、あとはメールのやりとりが続いただけの6月が終わった。  夏休みは出かけられないと言われたけれど、やっぱりどこか期待した夏がやって来た。  それなのに―――期待どころか真逆の。衝撃的で思いもよらない電話がかかってきた。  『別れることに、したの。創と』  「嘘、……で、しょ……?」  『嘘ってなによ。そんな嘘、つく意味ないし』  「そういうこと、……じゃ、なくて」  『……ごめん。分かってる。ただ、ごめっ……グスッ、う、ふぅう…ッ。こと、わたし、、わた、し……っ』  顔が見えなくて、もどかしい。  こんなに泣いてる真理亜を私は知らない。  けど、なんて言ったらいいのか分からなくて。しかも、どうして別れることになったのかも分からなくて。  私はただ、うん、うん、って返事しかできない。  何が正解なのか、なんて声をかけたらいいのか分からなくて。  でも一つ分かることは、真理亜に会わなきゃ分かんないってこと。  「真理亜。明日、仕事の後に行くよ。泊めてくれる?」  最適解なんて分かんないけど、私にしては強引に予約を取り付けて、それに真理亜が泣きながらウンウンって、頷く声が聞こえた。  まさか、ここから自分の身にもとんでもないことが起こるとも知らずにーー
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