第1章

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買い物をしているとあっという間に夜になってしまった。 夜は琉希と予約してあったフレンチレストランでディナーだ。 「すごい良い雰囲気のレストランだね」 窓の外には東京タワーが見える。 夜景が本当に綺麗に見えるレストランだからか私達以外にも周りにはカップルが多い。 にしても レストランに着いてから琉希、ずっと黙り込んでるなぁ。 「ん!美味しい・・・」 料理を食べて喜ぶのは私だけな状況。 「も、もしかしてフレンチだめ?」 「い、いや!すげぇ美味いよ」 私が聞くと、彼はようやく口を開いた。 どうしたんだろ? 変な琉希。 あ・・・ 「ワイン頼むの忘れてた。琉希、赤と白どっちに・・・」 「ま、まだ飲むな!」 「へ?」 「話あるから酔われたら困る」 「は、はい!」 話? 「あの、琉・・・」 「静乃っ」 わ・・・ 琉希はいきなり私の前に花束を差し出す。 えっ? ピンクの胡蝶蘭の花束。 そして 「・・・静乃、結婚しよう」 彼は私を真っ直ぐ見つめ、言った。 え・・・ 「っ・・・」 「し、静乃!?」 気づいたら涙が止まらなくなっていた。 「ご、ごめん・・・嬉しくて。本当ずるいよ・・・君は」 「ごめん。またお前を泣かせた」 「本当にもう・・・」 「静乃、俺はお前と一生一緒にいたい。俺はお前の事を愛してる・・・俺と結婚してくれますか?」 「はい!結婚します・・・」 私は笑顔で答える。 「遅れたけど・・・静乃、誕生日おめでとう。お前に出会えて本当に良かった」 「あ、ありがとう。私も出会えて本当に本当に嬉しい・・・」 「静乃。左手出して」 「え?うん・・・」 私は琉希の前に左手を差し出す。 あ・・・ 琉希は左手の薬指にシルバーリングをはめた。 「あ、ありがとう・・・琉希」 私が言うと、彼は優しく笑った。 ピンクの胡蝶蘭の花言葉は「あなたを愛しています」 私も琉希を愛しています、これからもずっとずっと・・・。 私は琉希のお嫁さんになる。 これからもずっとずっと一緒に琉希といられるんだ。 もう離さない・・・。 (おわり)
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