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聞くつもりもなんてなかった。
むしろ聞きたくなかった。
きっと噂だろ?噂ってあれだろ。
何日か経ったら、またその話を忘れて違う話で持ち切りになるんだろ。
そうか、焦っても仕方がない。
これだよ、やっぱりこれなんだよ。
“焦る”ってやつは完全にこの状態を言うんだよ。
まあ、健全な青少年なら、好きなやつの一人や二人いるに決まってるんだし、
それはそれで応援するっていうのが、そばにいる俺みたいなやつの役目みたいなもんだよな。
そうなんだ。
岸には好きなやつがいる
岸には心に思う人がいる
ってことなんだな。
はあ。
教室なんて、
放課後にふと寄るもんじゃないな、まじで。
翌朝の目覚めは、最悪だった・・・
ことはないんだな。
ぐっずり寝たよ。それはもうぐすっり。
俺は可憐で無垢な恋せよ乙女的な女子じゃねえんだよ。
健全な男子高校生なんだよ。
ドラマみたく、次の日目を腫らして心配されるような。
漫画みたく、次の日上の空で教室の角に頭をぶつけるような。
そんな、主人公じゃないんだよ。
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