第二話 きっかけは放課後

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聞くつもりもなんてなかった。 むしろ聞きたくなかった。 きっと噂だろ?噂ってあれだろ。 何日か経ったら、またその話を忘れて違う話で持ち切りになるんだろ。 そうか、焦っても仕方がない。 これだよ、やっぱりこれなんだよ。 “焦る”ってやつは完全にこの状態を言うんだよ。 まあ、健全な青少年なら、好きなやつの一人や二人いるに決まってるんだし、 それはそれで応援するっていうのが、そばにいる俺みたいなやつの役目みたいなもんだよな。 そうなんだ。 岸には好きなやつがいる 岸には心に思う人がいる ってことなんだな。 はあ。 教室なんて、 放課後にふと寄るもんじゃないな、まじで。 翌朝の目覚めは、最悪だった・・・ ことはないんだな。 ぐっずり寝たよ。それはもうぐすっり。 俺は可憐で無垢な恋せよ乙女的な女子じゃねえんだよ。 健全な男子高校生なんだよ。 ドラマみたく、次の日目を腫らして心配されるような。 漫画みたく、次の日上の空で教室の角に頭をぶつけるような。 そんな、主人公じゃないんだよ。
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