第6章 禁断のデート

30/32
前へ
/32ページ
次へ
由良は少し怒ったような顔でそう言うと 溶けかけの僕のジェラートを奪い取り 自分の持ってるのを押しつけた。 「不確かさ」 「え?」 それから バリバリとコーンまで食べてしまうと 唇を拭って唐突に言った。 「あなたの不確かさ。無自覚な不実さ。残酷さ――」 それは 彼の言葉じゃない。 「そんなところに死ぬほど惹かれたんだとさ」 僕の知らなかった サチの言葉。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

69人が本棚に入れています
本棚に追加