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「分からない。あいつの頭は時々ひどく難解だった」
言われたって
やっぱり僕には分からない。
「不実さにも残酷さにも気づいていて?それでも死ぬほど好きだって?」
彼みたいに
センシティブじゃないんだ。
「そんなの裏腹だろ」
だから
みすみす殺した。
「理屈じゃないんだよ、先生。人を好きになるのはね」
由良は憐れむような眼差しで
僕を見据えて言った。
「笑えないな。一回りも年下の、それも生徒に教えられるなんて」
だけど正論だ。
いつも僕以外が正論――そんな気がする。
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