第6章 禁断のデート

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「分からない。あいつの頭は時々ひどく難解だった」 言われたって やっぱり僕には分からない。 「不実さにも残酷さにも気づいていて?それでも死ぬほど好きだって?」 彼みたいに センシティブじゃないんだ。 「そんなの裏腹だろ」 だから みすみす殺した。 「理屈じゃないんだよ、先生。人を好きになるのはね」 由良は憐れむような眼差しで 僕を見据えて言った。 「笑えないな。一回りも年下の、それも生徒に教えられるなんて」 だけど正論だ。 いつも僕以外が正論――そんな気がする。
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