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「おい・・・僕の自慢のトキ色の翼をどうしてくれるんだ・・・
お前のせいで、油まみれだ!
何でお前は死にたがるんだ?
理由を言え!」
トキのサクは、脚で死にたがるカラスの胸ぐらを掴んで声色をあらげた。
「そうキレるなよ、トキよお。『天然記念物』のプライドが傷ついたなのは解る。
でもなあ、今このカラスは相当気が滅入ってるんだよ。」
「だからどうすりゃいいんだ!」
カワウとトキは異口同音で、カラスのコンビに反論した。
「みんな・・・馬鹿な自分の為に・・・すいません・・・」
死にたがるカラスは、項垂れた顔をあげて蚊の鳴くように呟いた。
「すいませんで済んだら・・・!」
「まあまあ、落ち着いてカワウさん。」
カラスのバルは、くってかかろうとするカワウのレミを必死に宥めた。
「自分は・・・流浪カラスの『キィオ』。世界一大馬鹿なカラスだ・・・
自分なんか・・・生きる価値なんか・・・」
「あー、この話し方!虫酸が走るぜ!」
「だから、それは!トキさん!」
今度はトキのサクがくってかかり、カラスのアスレッドが必死に宥めた。
死にたがるカラスはそっと呟いた。
「そもそも自分は・・・」
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