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場所は変わって妖怪の山。沢山の妖怪達が住むこの山に、霊夢と魔理沙はある人物に会う為に来ていた
「話は分かった。しかし今、私は哨戒任務の途中で……」
「さっき暇そうに木の上に座ってなかったか?」
「ち、違う!千里眼で山を見張っていただけで、暇を持て余した訳では……」
「大方、河童を誘って将棋しようとしてたけど、何かの理由で断られたってとこでしょ」
「むぐぐ……」
「図星か」
魔理沙の指摘に、目の前に居る白狼天狗の犬走椛はぐうの音も出なくなっていた
彼女は妖怪の山に住む天狗で、千里先まで見通す程度の能力を持つ下っ端哨戒天狗である
霊夢達は彼女の能力である千里先まで見通す程度の能力の力を借りる為、妖怪の山に来たのだ
「……にとりを誘いに行ったら、発明品がもう少しで完成するから邪魔するなと言われたんだ」
「ほぉ?新しい発明品か!今度にとりん家にお邪魔してみるか」
「魔理沙、アンタそれよりやる事あるでしょうが」
「そうだったそうだった。頼むぜ椛。このままだと困るんだよ」
「確かに四肢を奪われたらそれは困るだろうが……わざわざ私に頼らずとも捜せるだろうに」
「めんどくさい」
「めんどくさいぜ」
「お前達は……」
椛はやれやれと嘆息する
正直、椛は気が気ではなかった。本来彼女は妖怪の山に侵入する者在れば追い出し、手に負えなければ直ぐに報告に行かなければならない
しかし、その侵入者の二人にお願いをされているのだ。もし、他の天狗に見付かればサボっていると誤解されるかもしれない
特にあいつには見付かりたくない。あいつに見付かったらどんな捏造報告をされるか……椛がそう思っていた時、あいつはやってきた
「あやややや?椛。貴方なーにサボってるのかな?」
「あら、文じゃない」
「はい!清く正しい幻想郷ブン屋こと、射命丸文です。今日はお揃いで、山に何用です?」
「……どうして貴方は、こうも最悪なタイミングで来るんだ」
空に舞う漆黒の翼が一対。ふわりと地に降り立ったのは幻想郷の新聞記者、射命丸文。椛が今一番会いたくなかった人物だ
「あやややや。来たらいけない?」
「言っておくが、サボってはいないからな」
「別に報告しようと思ってないわ。特ダネの匂いがするしね」
文は霊夢に抱き抱えられている魔理沙を横目で見る。新聞記者としての勘が、特ダネを感知した様だ
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