第一話 四肢の無い少女

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蒼白い肌、生気を失った眼……魔理沙は理解した。自分に話し掛けてきたのは怨霊で、今聞かされたのはこの怨霊の生前の末路だと 「な、成る程。夏と言えば怪談。とはいえまさか怨霊自ら、しかも自分の末路を怪談にして聞かせにくるなんてな?」 「……えへへ。怖かったかな?」 「確かにインパクトはピカイチだった。流石の私も、背筋に悪寒が走ったぜ」 「そう?やったね」 さっきと打って変わって、ニコニコとVサインする怨霊。悲惨な最期にしては案外、可愛らしい怨霊である が、今の魔理沙には正直どうでも良かった 「……で?」 「で?」 「いや、お前私に用があったんじゃないのか?だから話し掛けてきたんだろ?……まさか怪談聞かせる為だけに声掛けたのか?」 「うん」 「おいおい……」 魔理沙は小さく嘆息した 確かに今は夏でとても暑い。怪談のお陰で涼が取れた事にはちょっとばかりの感謝はすれど、用も無いのに話し掛けられても…… 先程散々無視された事もあって、あまりこの怨霊に魔理沙は良い印象を持っていなかった すると、怨霊が「でも……」と付け加える 「私は怪談というより、貴方に『過去にあった悲惨な事件』を聞いてほしかったんだよね。じゃないと“質問”出来ないし」 「あぁ?質問?用は無かったんじゃないのか?」 「今、質問出来る様になったんだよ」 「意味が分からん……」 全くもって、怨霊の言葉の理解が出来ない魔理沙。今出来る様になったというのは、一体どういう事なのか? そんな魔理沙を放っておいて、怨霊は続けた 「じゃあ質問するね?準備は良い?」 「良いからさっさと言えって。で、どんな質問なんだ?」 「じゃあ質問!……その話は誰に聞いた?」 「話?さっきのか?……お前にだろ?」 そう魔理沙が答えた瞬間、怨霊の表情が変わった あどけない、幼さの残る可愛らしい顔が狂喜に満ちた表情へと変わったのだ。これには流石の魔理沙もビビった 「あーぁ、ダメじゃない。質問の答えを間違えちゃ……」 「な、何を言ってるんだぜ!?私は確かに答えただろ!お前だって……」 「私はお前って名前じゃない……。カシマさんって……コタエナイトネェッ!」 「ッ!?」 次の瞬間、魔理沙は狂気に満ちた顔の怨霊……カシマさんに組し抱かれていた
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