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「な、何するんだぜ!?」
「えへへ、さぁてどうなるでしょう?」
勢いよく体当たりされ、地面に仰向けで倒れた魔理沙の上に馬乗りになるカシマと名乗る怨霊
その力は強く、押さえ付けられた腕はピクリとも動かせない
「ふざけるな!わ、私をどうする気だ!」
「知りたい?なら教えてあげるね?……貴方は私の『質問』に正確に答える事が出来なかった。だから、そのペナルティを受けて貰うの。素敵でしょ?」
「ペナルティだと!?」
「うん。ほら、聞こえるでしょう?耳を澄ませてごらん?」
そうカシマさんが言った時、魔理沙の耳に聞き慣れない音が聞こえてきた
ポォーッ!と、魔法の森に響き渡る澄んだ音色……そして、ガタンゴトンと何かが魔理沙達の方へ走ってくる音
そして、その音の正体は直ぐに現れた
それは鉄の箱に車輪を付けた様な……
「アレって……!?」
「轢符『寒空の下の惨劇』……そう!貴方には私と同じ目に遭って貰うの!自分の足とのお別れは終わった?終わってないなら早く済ませた方が良いよ?」
そう、魔理沙達の方へ向かって走ってくる音の正体は、カシマさんが轢かれ、死んでしまった原因である電車の汽笛と車輪の音だった
「や、止めろ!あんなのに轢かれたら死んじまう!」
「大丈夫、死にはしないよ?これが私の能力だから……ね。演出だよ演出。……死ぬ程痛いかもしれないけどねぇ!キャハハハハッ!」
「ふざけるなぁ!早く……早く退いてくれ!」
「キャハハハハッ!キャーハハハハハッ!」
魔理沙の必死の懇願を嘲笑うかの様に、電車の汽笛に合わせる様に、狂った様に笑うカシマさん
電車も、もう眼前まで迫ってしまって回避はもう……出来ない
「止めろぉぉぉぉぉっ!……ッ!」
電車がカシマさんもろとも魔理沙を轢いた瞬間、魔理沙は一瞬で意識を手放した
暗闇の意識の中で、カシマさんが語り掛ける
「じゃあ、貴方の足は私が貰って行くからね?これからは貴方が“テケテケ”さんだよ。フフフフ……キャーハハハハハッ!」
◇
「で、今に至る訳ね?」
「おう……目が覚めたら足が無くなってて、お前ならどうにか出来ると思って、急いで飛んできたんだ。まさか足が無いだけで箒に乗り辛くなってて、一時間近く掛かるなんて思わなかったけどな」
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