8人が本棚に入れています
本棚に追加
じたばたと手をばたつかせ、駄々っ子の様に暴れる魔理沙
最初は無視していた霊夢も、段々と額に青筋が浮かび……
「この薄情者!一生金欠の貧乏巫k――」
「フンッ!」
次の瞬間には、魔理沙の顔の数センチ横に霊夢の武器の一つである封魔針が、三分の二程まで深く突き立てられていた
顔面蒼白となる魔理沙。そんな魔理沙に、満面の笑みで霊夢は言った
「次は眉間よ?」
「す、すいませんでした……」
後に魔理沙は語る。鬼が笑っている様に見えたと……
「……ハァ~。やれやれだわ」
「……霊夢?」
霊夢は縁側から外に出ると、ガシガシと頭を掻く
そして、不思議そうな顔の魔理沙に振り返る
「本当は暑くて面倒だし、動きたくないから行きたくないけど……面倒事を持ってくる奴でも私の友達だし、行かない訳にはいかないわよね?」
「じゃ、じゃあ!」
「……貸しにしとくからね?」
「よっしゃあっ!霊夢ならそう言ってくれると信じてたぜ!今度キンキンに冷えたスイカでも持ってきてやるぜ!」
「都合の良い奴……」
やれやれと嘆息する霊夢
あぁ言っていたが、霊夢は最初から魔理沙のお願いを聞くつもりだった
理由は単純。魔理沙は霊夢にとって、幼い時からずっと一緒な一番の親友だから
魔理沙だってそうだ。魔理沙も、霊夢が今の自分の様に助けを求めてきたら、きっと助けているだろう
二人には、何より固い確かな友情があるのだ
「さーてと、先ずはそのカシマさんって怨霊を見付ける事だけど……この広い幻想郷を駆け回るのもねぇ」
霊夢は手で陽を遮りながら、燦々と輝く太陽を見上げる
考え無しに駆け回っても、暑さで無駄に体力を消費してしまうだろう
「じゃあどうするんだ?動かずにカシマさんは見付けられないぜ?」
「そりゃそうだけど……。……あ、一人居るわ。動かずにカシマさんを見付けれる奴」
「マジか!?」
「えぇ、行くわよ魔理沙!」
「え、ちょっ、ちょっと待ってくれ!直ぐに箒に乗るから!」
「ほら早く!私の気が変わっちゃうわよ!」
「ま、待ってくれって~!」
◇
「……それで、私の所に来たという訳か?」
「えぇ、アンタの能力なら簡単でしょう?」
最初のコメントを投稿しよう!