第一話 四肢の無い少女

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じたばたと手をばたつかせ、駄々っ子の様に暴れる魔理沙 最初は無視していた霊夢も、段々と額に青筋が浮かび…… 「この薄情者!一生金欠の貧乏巫k――」 「フンッ!」 次の瞬間には、魔理沙の顔の数センチ横に霊夢の武器の一つである封魔針が、三分の二程まで深く突き立てられていた 顔面蒼白となる魔理沙。そんな魔理沙に、満面の笑みで霊夢は言った 「次は眉間よ?」 「す、すいませんでした……」 後に魔理沙は語る。鬼が笑っている様に見えたと…… 「……ハァ~。やれやれだわ」 「……霊夢?」 霊夢は縁側から外に出ると、ガシガシと頭を掻く そして、不思議そうな顔の魔理沙に振り返る 「本当は暑くて面倒だし、動きたくないから行きたくないけど……面倒事を持ってくる奴でも私の友達だし、行かない訳にはいかないわよね?」 「じゃ、じゃあ!」 「……貸しにしとくからね?」 「よっしゃあっ!霊夢ならそう言ってくれると信じてたぜ!今度キンキンに冷えたスイカでも持ってきてやるぜ!」 「都合の良い奴……」 やれやれと嘆息する霊夢 あぁ言っていたが、霊夢は最初から魔理沙のお願いを聞くつもりだった 理由は単純。魔理沙は霊夢にとって、幼い時からずっと一緒な一番の親友だから 魔理沙だってそうだ。魔理沙も、霊夢が今の自分の様に助けを求めてきたら、きっと助けているだろう 二人には、何より固い確かな友情があるのだ 「さーてと、先ずはそのカシマさんって怨霊を見付ける事だけど……この広い幻想郷を駆け回るのもねぇ」 霊夢は手で陽を遮りながら、燦々と輝く太陽を見上げる 考え無しに駆け回っても、暑さで無駄に体力を消費してしまうだろう 「じゃあどうするんだ?動かずにカシマさんは見付けられないぜ?」 「そりゃそうだけど……。……あ、一人居るわ。動かずにカシマさんを見付けれる奴」 「マジか!?」 「えぇ、行くわよ魔理沙!」 「え、ちょっ、ちょっと待ってくれ!直ぐに箒に乗るから!」 「ほら早く!私の気が変わっちゃうわよ!」 「ま、待ってくれって~!」 ◇ 「……それで、私の所に来たという訳か?」 「えぇ、アンタの能力なら簡単でしょう?」
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