第7話

2/40
2775人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「雛森。持とうか?」 「ありがとう」 ジェントルマンぶった彼に、躊躇することなく、もったいぶることなく、素直に荷物を差し出した。 「軽いね、女の子のくせに」 余計な心配はしないでもらいたい。 「あ!きたきた!やっと来た!遅いですよー、乾課長!」 玄関の自動ドアを3人で抜けると、先に出発した佐藤くんがブンブンと手を振りながら寄ってきた。 「案内する筈の車が突っ走っていったら駄目だろ。ナビ入れておいたから良かったものの」 既にロビーにいた飯山さんを含め、5人でひと固まりになると、呆れた神崎くんが私の旅行バッグで佐藤くんをどつき、制裁を与える。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!