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「雛森。持とうか?」
「ありがとう」
ジェントルマンぶった彼に、躊躇することなく、もったいぶることなく、素直に荷物を差し出した。
「軽いね、女の子のくせに」
余計な心配はしないでもらいたい。
「あ!きたきた!やっと来た!遅いですよー、乾課長!」
玄関の自動ドアを3人で抜けると、先に出発した佐藤くんがブンブンと手を振りながら寄ってきた。
「案内する筈の車が突っ走っていったら駄目だろ。ナビ入れておいたから良かったものの」
既にロビーにいた飯山さんを含め、5人でひと固まりになると、呆れた神崎くんが私の旅行バッグで佐藤くんをどつき、制裁を与える。
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