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特に賑やかな場所の話し声に耳を澄まし、それを背中で聞いた。
先程までそこにいた佐藤くんが移動した為だろう。ここぞとばかりに神崎くんに群がる浴衣の女子達は、まるで腹を空かせたハイエナのよう。
「神崎さんの婚約者さんてー、どんな人なんですか?」
「え?聞くの?それ」
「聞きたーい!」
「内緒。もったいないから言わない」
「えぇー!? なにそれ、ずるーい!!」
「……」
馬鹿らしい。
はぁ。と、呆れた溜め息をしたくなる衝動を抑え、オレンジジュースをひと口含んだ。
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