第7話

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特に賑やかな場所の話し声に耳を澄まし、それを背中で聞いた。 先程までそこにいた佐藤くんが移動した為だろう。ここぞとばかりに神崎くんに群がる浴衣の女子達は、まるで腹を空かせたハイエナのよう。 「神崎さんの婚約者さんてー、どんな人なんですか?」 「え?聞くの?それ」 「聞きたーい!」 「内緒。もったいないから言わない」 「えぇー!? なにそれ、ずるーい!!」 「……」 馬鹿らしい。 はぁ。と、呆れた溜め息をしたくなる衝動を抑え、オレンジジュースをひと口含んだ。
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