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「あー、そうそう。本当、雛森さんて肌がすごく綺麗だよね」
私、お風呂一緒だったんだー。
という声に振り向くと、神崎くんの隣に座る同僚の女子が、ニコニコしながらこちらの会話に入り込んできた。
「え?見たの?全身?」
「お風呂だもん、当然じゃん。てか、佐藤くん。その言い方エロいから」
私と佐藤くんをエサに、周りの笑いを誘う彼女。
飯山さんとお風呂にいた時に、確かに彼女の姿もそこにあった。
「……」
鏡越しに、舐めるように私の身体を見ていたことを思い出す。
「傷もアザも跡もなかったよ」
意味ありげな彼女の言葉から、部長の跡のことを言っているんだろうと推測する。
残念ながら彼女が望んでいたものを見つけることはできなかったようだけど、そんなものなくて当然。
部長は私の身体に跡をつけない。
それはもちろん、神崎くんも同じこと。
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