第7話

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他の同僚達とは別の棟―― 部屋番号の代わりに『鈴蘭の間』と名前が付けられたその部屋は、暖かな西日が射し込む、そこでは一番奥の角部屋。 部屋に入るとすぐに香ったのは、真新しい畳と、上品に生けられた梅の花。 一見、純和風の造り。しかし、一歩部屋に入れば、和モダンな空間がそこに広がる。 落ち着いた、温かみのある照明。お洒落な障子。 8帖ほどの和室の隣に、和風のベッドルーム。 なんと、露天風呂付き。 佐藤くんにしては、ずいぶん奮発したらしいが 「雛森、どっちのベッドにする?俺は一緒でもいいんだけど」 「……右」 この人がいなければ最高なのに。と、思う。
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