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他の同僚達とは別の棟――
部屋番号の代わりに『鈴蘭の間』と名前が付けられたその部屋は、暖かな西日が射し込む、そこでは一番奥の角部屋。
部屋に入るとすぐに香ったのは、真新しい畳と、上品に生けられた梅の花。
一見、純和風の造り。しかし、一歩部屋に入れば、和モダンな空間がそこに広がる。
落ち着いた、温かみのある照明。お洒落な障子。
8帖ほどの和室の隣に、和風のベッドルーム。
なんと、露天風呂付き。
佐藤くんにしては、ずいぶん奮発したらしいが
「雛森、どっちのベッドにする?俺は一緒でもいいんだけど」
「……右」
この人がいなければ最高なのに。と、思う。
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