第3話 火事場の鈍感力

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「辞書はな最強なんだよ。だって、知りたいこと全部書いてあるじゃん。」 中学校の時だろうか。 お前はそうやって俺の何気ない疑問にも頭かかえそうな疑問にも、 でっかい辞書を貸してくれたっけな。 今はネット社会なんだよ。 すすっと簡単に調べられるのにな。 お前は今でもその辞書を大切に保管して、大事そうに俺に貸してくれるんだ。 無敵な手段で、無敵な答えを俺に導いてくれる。 俺にとっては、お前自身が無敵な存在なんだよ。 だから、きっと、惹かれたんだろうな。 女なら、 俺がもし女なら、 無敵なお前に告白できているのだろうか。
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