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はあ。
早く帰りたい。
つーか、久しぶりに来たな、屋上。
というか、初めてか。
でもなんかこういう状況知ってるぞ。
あ、そうか、夢で見たのか、この状況。
でも相手はお前じゃないんだよ。
確か髪の長い子で、足が細くて丸顔で、
世間的言えばそれはもうかわいい・・・
「澤ちゃん。ごめんね、腕めっちゃ引っ張った。」
事の発端は、放課後。
せっかくひっそりと帰ろうと思ったら、
がっしりと腕を引っ張られ、見る見る間に空に近い場所まで連れてこられた。
「帰り道で話すんじゃ駄目なのか?」
「メールでも電話でも出るからさ、とりあえず帰らせてよ。」
「買い物しないといけないんだって、母さんに頼まれてんだって。」
全部の言葉を飲み込んだ。
無言でとりあえず身を任せてついて行った。
そういえば、こいつ結構握力強いんだな。
確か指が長かったはず。
ったく、こんなこと知ってるんだか。
「どうしたの?何か今日変だよ。」
そんなこと帰り道でも聞けるだろ。
「ノリが違う。何かが違う。」
何も違わねーよ。つかお前だろ、いつから恋なんてしてたんだよ。
「何か俺、怒らせるようなことした?」
何もしてねーよ。お前に好きなやつができたってだけだよ。
「もしかして、落ち込んでるの?」
鈍感頭が、この状況で何敏感になってんだよ。
「澤ちゃん。もしかして、知ってるの?」
一瞬岸の表情が固まってのを、ずっと俯いていた俺の視線の先に感じた。
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