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夕陽が沈み始め、辺りは暗くなりつつある。
そんな、夕闇の公園のベンチに二人の影はあった。
「もう会えないの?」
「もう会えないってわけじゃないよ、ただ、少し会えないだけだ。」
小学一年生といったところだろうか。
二人の子どもが名残り惜しそうに会話する。
「うん……」
「そんな、悲しそうな顔するなって!ほら、これ。」
「?これ、なあに?」
二人の内の少し背の高い子どもは、ポケットからメダルを取り出すとそれを泣きそうになっている子どもに手渡した。
「俺の宝物。ユウキに預ける!」
「……うん。わかった……」
「だから、泣くなって!」
「ぐすっ……うん……」
「じゃあ、俺行くよ。」
そういうと、背の高い子どもは立ち上がり、公園を後ろに歩いていく。
その後ろで、ユウキと呼ばれた子どもは小さな手で涙を拭うと、自分もと先ほどの子どもとは反対方向に歩いていく。
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