第3章

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「んーん。美味しそうに食べるなぁと思って」 そんなゆきちゃんって本当に可愛い。 「うん。俺、ここの親子丼大好きなんだ」 「そんなに美味しいの?じゃ、一口ちょうだい?」 「うん、いいよ」 え?マジで? ダメもとで言ってみただけなんだけど。 「じゃ、あーんして?」 うそ!? 食べさせてくれるとか、マジ嬉しいんだけど! 只でさえ間接キスゲットでにやけちゃうのに、その上あーんとか! やーん、恋人同士みたーい。 でもそれは言わないでおこう。 言っちゃったら絶対照れてしてくれなくなっちゃうから。 「あーん」 言われた通りに口を大きく開ける。 よし、スプーンが口に入ったら思いっきり舐めてやる! 若干変態の域に入ってるけど、こんなチャンスは滅多にない。 後悔しないようにせねば。 「なんか、恋人同士みたいですね」 その言葉で、あともう少しで口に入りそうになっていたスプーンが止まった。 「直人?余計なこと言うなよ!」 「だって、ほんとのことだろ?普通、友達でそんなことしないだろ?女子ならともかく、男同士でそんなことするの恋人同士ぐらいだって」 キッと睨み付けた俺の視線など余裕で受け止めて、直人はサラリとそう言った。
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