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「お、おう?」
その真剣さに思わずビビる。
「あの人は止めとけ」
………、はぁ?
「なんだよ、それ。もっと衝撃的なこと言われるかと思っただろ!」
なんだ、またいつもの直人の止めとけ病か。
昔から俺の好きになる相手に難癖つけて、そんなんだから俺に恋人出来ないんだろ!
いい加減恋人いない歴に終止符打たせろ!
「今回のはマジだ。純粋に陽介の為を思って言ってる」
「よく言うわ。いっつもそんな事言って人の恋路を踏みにじってくくせに。友達なら応援しろってんだ」
「…悪いけど応援は出来ねーから」
「あー、そうですかー。別にいいですよー。期待なんかしてねーもん。つーか、そろそろ手離せって。ゆきちゃんが戻ってくる」
スプーンを取りに行ってたゆきちゃんが、パタパタと走ってくるのが見える。
こんなとこ見られて何か誤解でもされたらやだし。
掴まれた腕を引こうとした俺の腕を逃がさまいと、直人が更に強く握る。
「陽介には俺がいるだろ?」
痛っ。と思って顔をしかめた俺に、直人は真面目な顔して言った。
「…、そんなの分かってっけど」
うん、なんだかんだ言ったって直人のことは親友だと思ってるよ?
つーか、今さら何言ってんだよ、恥ずかしい。
「全っ然分かってねーじゃねーか!」
俺の返しに不満だったのか、直人は俺の腕を離すとフンッと椅子に仰け反った。
は?なんだよ、俺、悪いこと言った?
「あれ?どうしたの?」
そんな中スプーンを片手に戻ってきたゆきちゃんが心配そうに俺達の顔を交互に見比べる。
「別になんでもないよ。直人のバカが勝手に怒ってるだけだし。それより早く親子丼食いたい」
ニコッとゆきちゃんに笑顔を見せてスプーンを受け取った。
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