第1章

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「うぃーっす。ゆうたー。」 いつもの感じで502号室に入っていく健太。おばさんはいないみたいだ。 「おばさんは裕太?」 「あの女の人なら外行ったよさっき。いつもあの人僕に会いに来るんだ。」 「当たり前だろばか笑」 「てか裕太、おまえひかれたとき犯人の顔見てないか?」 「ん?」 「だよな、見てないよな。ごめんごめん何でもない」 「ねえ外の空気吸いたいんだけど。」 「おまえ外出許可出てんの?」 「なにそれ」 受付に内線できく健太。 あっさりOK 病気でもなんでもなく、記憶以外は正常だからか。まあいいや。 「裕太。外行くぞ!」 「やった。ありがと。君名前は?」 「あ、そっか。厄介だなこのくだり。健太だよ佐々木健太。一生忘れんじゃねーぞ」 「わかった覚えとく。健太君ね。」 健太君。懐かしいな。初めてあったときもそんなこと言われてたなそういえば。あの時から人気者でうらやましかったわ。まあ顔は俺の方がかっこいいけどな裕太。 負けず嫌いで正義感が強い健太の悪い癖である。 「よし、土手いくか。」 「どこでもいいよ。ありがとう。」 若干寒いが裕太は楽しそうだ。こういうとこから映画のタイトルとかイメージすんのかな映画監督って。まあどーでもいいか。 楽しそうな裕太だが、看護師との約束で30分だけと決まっていた。 戻ったらおばさんが心配していた。 「あ、裕太。どこいってたのよ!」 「土手をちょっと散歩しに。すいません勝手に連れ出して」 「あーよかったわ誘拐されたのかと思ったわ。」 「そんなわけないじゃないですか笑」 「健太君。ちょっと来てくれる?裕太はちょっと疲れてると思うからベットで休憩しててね」 ん?なんだおばさん。やけに心配してるぞなんか。 部屋を出て周りがいないことを確認するおばさん。 「健太君。これ。」 紙切れ一枚渡される。大きさはさほど大きくない。ルーズリーフと同じぐらいだからB5ぐらいだろうか。 「なんですかこれ」 「昨日うちに届いたのよ。」 折り畳んであった紙を開く。 高、橋、裕、太 そこにはよくある新聞や雑誌からきりとってはりつけられた四つの文字が並んでいた。
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