第1章

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「久々に買い物なんてしたな」 冷蔵庫に何が入ってるのかが分からず、 とりあえず、片っ端から必要そうな食材を買い込んだ。 「重てー」 ハンバーグを作ろうと、材料を買い込んだけど、缶ビールもあってか、重い。 挽き肉、玉ねぎ、じゃがいも、人参、インゲン、バター、サラダ油……缶ビール6本。 米も切れていたら……と思って5キロのやつを買った。 ……買い物もここ最近ずっとミユキに任せっきりだったな。 ミユキがオレのマネージャーやっていた時は常に一緒だったから 二人でいつも買い物していたんだけど。 ミユキに事務所に入るように言われ、 相川さんとの過ちの事件のせいか、 ミユキはオレと距離を置きたがった。 新婚の時ぐらいはお互い近くにいたかったのに、ミユキはそうゆう風には思っていなかったらしい。 それから、ミユキがオレのマネージャーを辞めて、 オレも、Grosslyのイメキャラを辞める事になって ミユキと一緒にいる時間は寝ている時だけ。 セックスがなくなったら、 夫婦って、何の意味があるんだろう。 ……でも、ミユキは何も言わないけど 寂しく感じてるんじゃないかって思う。 だって、あんなに、四六時中くっついて行動していたのに 今じゃあ、食事もろくに一緒にできなくなったのだから。 ミユキもオレと同じ思いじゃなかったら、 かなりサビシイ……。 スーパーからマンションまで徒歩で5分。 重い買い物のせいか、すごく長い距離に感じる。 手が塞がったまま歩いていると、ポケットに入ってるスマホが鳴り出した。 取るに取れなくて、 そのまま無視してマンションに たどり着く。 自室の鍵を開けて、買い物袋を置いた。 そしてスマホを取りだして電話の主を確かめた。 着信の主は里奈。 きっと仕事の事だろう。
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