4人が本棚に入れています
本棚に追加
今日も退屈な仕事を終えて、いつものバーに足を運ぶ
少しけだるい熱を帯びた足を運ぶ
別に、退屈だからといって、今の仕事が嫌いな訳じゃない
上司は、私に良くしてくれるし、同僚との仲だって悪くない
そう考えてみると、他の職場よりもずっと恵まれていると思う
何が気に入らないって訳じゃない
ただ、疲れているから、そんな風に思うだけだと思うけれど
何となく腑に落ちないような気分になっている
木目調の少し重たい扉を開くと、見付けられないベルが、チリンとなった
このバーは、客が少ない
というよりも、私が訪れた時に客がいるのを、見たことがない
夜遅い時間だからなのかもしれないが
しかし、その静かな雰囲気が私は好きだ
元来、騒がしいのがあまり得意ではない私に、そのバーの雰囲気は居心地が良かった
しかし、今日は珍しく先客がいたようだ
いつも私が座る一番奥のカウンター席に座っていた
その事に、少し不満を感じながらも、何故か、その先客に興味を引かれた
どうして、そんな事になったのか分からないが、きっと魔が差したのだと思う
最初のコメントを投稿しよう!