時渡り前

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ブオーッ!! ご飯を食べた後、お風呂で汗を流してドライヤーで髪をベットの上で乾か している。 「…暇だ。」 自分の部屋のテレビをつけてみると大河ドラマをしていた。 若き伊藤博文が幕吏に追われる途中、後に妻となる芸子・梅子に助けられる、という場面だ。 大河ドラマは嫌いではないが好きでもないので見る気はあんまりなく、直ぐに別のチャンネルに変えた。 「お姉ちゃん、いい?」 一番上の弟の声だ。 「何?」 ドアが開いた。 弟の手には数冊の教材。 しかも他の弟、妹を引き連れている。 「勉強教えて。」 へらへらしながら言う。 溜め息をしてベットの横の脚の短い机の上の化粧品等を避けた。 「ほら。」 雪乃を弟妹たちは囲った。
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