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【仲間割れとそれから2】 「大丈夫かな、団長さん」  団長、クロード、荻野の三人が出て行った後、相沢がそう口を開いた。 「戦わずに暮らせるならそれでいいと思う。それでも……団長、相当思いつめてたんだな」  吉川の言葉に上野が静かに立ち上がった。 「それでも僕たちは戦わなくてはいけません」 ◆ 「クロードも荻野さんもごめんね、空気悪くしちゃって」 「普通だよ普通、今までがおかしかったんだって。君だけ戦闘能力ない普通の人間じゃん。それで戦ってこれたのは奇跡に近いよ」  荻野の言葉に、クロードは静かに頷いた。団長は何も言わずその表情を見つめている。 「相模の旦那はああいう言い方しかできない人でしてね、あの人も貴方が普通の人間だとわかっているはずなのですが――それでも前例がありますからどうしても比べてしまうのでしょう」  前例?とクロードの言葉に反応した団長に、「相模の旦那の部下にとっても無能な女の子がいたんですよ。それでも根性だけはあったみたいですけど。俺は――あまり好きではありませんでしたけど」と彼は笑みを浮かべた。 「でもいいなあ、雛ちゃんに抱きしめられて」 「荻野さんはちょっと黙ってて」  ぴしゃりと言った団長に、荻野は静かに「本調子が戻ってきたみたいで何よりだよ」と笑った。 「……ごめん」 「君はそっちのほうがいい。さっきの君はまるでモノクロームにでも憑かれたみたい――」  はっと荻野が顔を上げる。団長の瞳は淀み、こちらを見据えてはいるが焦点はあっていない。 「ビンゴですね」 「ウッソダァ……僕、冗談で言ったんだけど?」 「気づいてたからついてきたんじゃなかったんですか?」  クロードの問いかけが終わるか終わらないかで、団長の手に漆黒の大剣が作り出される。 「これ僕らで相手にすんの? マジ?」 「俺がやります」  そう言ったクロードは即座に杖を構えて踏み込むと、大剣に向かい一閃した。大剣は綺麗に切断され、影となって消える。 「おいおい化け物かよ……まあ僕が気になるのは――あそこでこっち見てる二体――いや、三体」 ★ 秘密結社のクロードと荻野さんが仲良いのは多分この辺からなんだろうなと。続きものなので作者別のキャラ出るの少ないけどこっちに。
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