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【悪徳夜行 化猫妖刀奇談】
相対する数は五人ほど。こちらのなまくら刀は既に折れ、万策尽きたも同然であった。右手の鞘でなんとか凌ぐが徐々に押され、いよいよ万事休すというところか。
女を守って死ねるなら本望、と言いたいところだが横には背だけひょろっちょい間抜け男と赤目黒猫1匹。これでは死ぬに死にきれねえ。
ガタガタと震える音が耳につく。そんなに直面した死に怯えているのかと隣を見れば、ガタガタ震えているのは間抜け男が背負う刀。
男はそれを隠すように後手を回し、こちらを見据えた。
「浅間氏、これは妖刀の類であります、抜けばひとたび魂を斬られ無念の内に死んだ者共の手の内に握られ、人ではいられなくなりましょう」
「刀があるなら早く言え。悪徳三昧してきた傭兵風情に今更人である意味などあるものか。怨念、悪鬼羅刹に魂を売り渡し、死というこの場の恥を回避できるならこれ以上望むことは何もない」
★
そういう浅間さんと秋山さんと猫の三人旅。最終的に稲嶺さんや小早川さんも入る感じの。
だいぶ浅間さんがマシ。
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