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試合場の中央で歓声に応えるジョージを見つめた。口元は微笑を浮かべたままだが、天才児の目は笑っていなかった。敵なのか味方なのか確定できないひどく冷たい目で、タツオを見おろしてくる。タツオは拍手を送りながら、背筋に冷たい震えが走るのを止められなかった。
この少年と全力でぶつかるとき、いったいなにが起きるのだろう。恐怖は胸の奥、手でつかめそうなほど確かなのに、タツオは対決のときを熱望している自分に気づいた。
そのときにはお互い命をかけた闘いになるだろう。養成高校の歴史に名を刻む名勝負になるはずだ。タツオが目を輝かせてうなずくと、集められた花束を胸いっぱいに抱えたジョージが青い畳のうえからうなずき返してきた。
口元は引き締まり、目も真剣だ。きみと闘う準備はいつでもできている。そう宣言しているようだった。タツオは親友のそんな表情を初めて目撃し、熱い武者震いが止まらなくなった。
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