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「じゃあ、あの子、おまえより背も高いし、俺に紹介してくれてもよくないか?」
晃次のそんなふざけた言葉に思わず手にしていた携帯をぶつけそうになった。
あれは俺が狙っているっ。
「紹介なんてしない。自分で声かければ?」
メイちゃんのことだから逃げると思うけど。
ふふんっ。そこは助けてコールをいただいて、即、助けにいった俺の判断の勝利っ。
「俺がいいって思うくらいだし、声かけられまくりだろうな。…ちょっと背高すぎるかな。いや、でも男らしさがあるわけでもない背の高さだし、アリだよな。モデル系美人」
晃次の評価が高くてもうれしくない。
しかもモテまくりだろみたいに言われて、更にうれしくない。
これは早急にゲットしなければ。
メイちゃんは男に慣れてはいけない。
俺が捕まえるまで。
「俺が狙ってる子の評価高くとらないで」
はっきりと晃次に言ってやる。
「おまえよりあの子、背高いだろ?狙ってるってセックスしたいだけ?おまえの好みとまったく違うし。好みの子につきあおうって言われたら、ぽーいってか?」
どすっと俺の胸をえぐるような言葉をいただいた。
そんな未来の話なんてわからない。
そんなことがあるのかわからない。
そりゃいいなっていう子は他にいる。
でも彼女もほしい。
メイちゃんはかわいい。
がんばれば俺の彼女になってくれる感触もある。
セックス…したいけど。
そうじゃなくて。
俺は答える言葉もなくして、しょぼーんとなる。
そうじゃなくて。
俺も俺を癒してくれる薬がほしい。
友達じゃなくて、セフレじゃなくて。
もちろん添い寝友達なんていうものでもなくて。
俺の彼女っていうもの。
「なんだよ?図星かよ?おまえ、女友達多いんだから、おまえの理想にかぶっているの他にいるだろ。そっちにしておけば?
俺の経験上、理想と違うところ手に入れると疑われるばかりで苦労するし」
東郷先輩かと思われる。
でも俺はおまえとは違う。
いや、理想にかぶるのは他にいくらでもいるのは確かだ。
逆にメイちゃんみたいな俺より背の高い女子のほうがいない。
ヒールはけば俺より背の高くなる子もいるけど。
…メイちゃんが簡単そうなのが悪い。
言われても、そう簡単に諦めつかない。
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