鬼の風紀と幼なじみ

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「うっ、あの…こんにちは…?」 恐る恐るそう口にするが、 委員長は確実に怒りモードだろう 後ろに何か黒いものが見える。 「ほぉ、貴様、遅れた挙げ句 帰ろうとしてなかったか…?」 げっ…。 逃げれることなら今すぐにでも 帰りたい。 しかし、これ以上に委員長を 怒らせるのは得策ではないと思いなけなしの自制心を働かせる。 「……まぁ、良い。 とりあえず入れ。」 委員長に促されて もう二度と出られないかもしれないという思いを抱きつつ、 風紀委員室へと足を踏み入れた。 そこには ―――鳴り響くキーボードを叩く音と …… 咀嚼音…ん? ふと委員長を見ると、 怖い…という言葉で形容できない顔をしていた。 「……おい、玉城。 風紀委員室はてめぇのリビング じゃねぇって、何回言えば 分かるんだ!?」 そう。 咀嚼音の正体は 副委員長の玉城先輩。 委員長は 激おこ。 「やっべ、委員長っ」 そう言って、 お菓子を口に詰め込む玉城先輩は可愛いと思う。 俺よりでかいし、 イケメンだけど。 「チッ。 まぁ良い。 奥の部屋を使うから 絶対に開けるな。」 ぎゃぁぁぁぁ…。 遂に、人生の幕を閉じるとき。 お父さん、お母さん 今までありがとう。
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